行政書士試験 平成26年 問題34

資格試験

tomiです。

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平成26年行政書士試験は、受験申込者数62 ,172名、受験者数48,869名、合格者数4,043名、合格率8.3%でした。

 

今日は問題34(民法)です。

 

問題34 生命侵害等に対する近親者の損害賠償請求権に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものはどれか。

1 他人の不法行為により夫が即死した場合には、その妻は、相続によって夫の逸失利益について損害賠償請求権を行使することはできない。

2 他人の不法行為により夫が死亡した場合には、その妻は、相続によって夫本人の慰謝料請求権を行使できるので、妻には固有の慰謝料請求権は認められていない。

3 他人の不法行為により、夫が慰謝料請求権を行使する意思を表明しないまま死亡した場合には、その妻は、相続によって夫の慰謝料請求権を行使することはできない。

4 他人の不法行為により死亡した被害者の父母、配偶者、子以外の者であっても、被害者との間にそれらの親族と実質的に同視し得る身分関係が存在するため被害者の死亡により甚大な精神的苦痛を受けた場合には、その者は、加害者に対して直接固有の慰謝料請求をすることができる。

5 他人の不法行為により子が重い傷害を受けたために、当該子が死亡したときにも比肩しうべき精神上の苦痛をその両親が受けた場合でも、被害者本人は生存しており本人に慰謝料請求権が認められるので、両親には固有の慰謝料請求権は認められていない。

 

正解は4です。

 

1 妥当でない

1 他人の不法行為により夫が即死した場合には、その妻は、相続によって夫の逸失利益について損害賠償請求権を行使することはできない。

被害者本人(夫)に損害賠償請求権が発生し、その相続人(妻)は当該権利を承継します。(最判大15.2.16)

 

 

 

2 妥当でない

2 他人の不法行為により夫が死亡した場合には、その妻は、相続によって夫本人の慰謝料請求権を行使できるので、妻には固有の慰謝料請求権は認められていない。

近親者である配偶者には、固有の慰謝料請求権が認められています。(民法711条)

 

 

 

3 妥当でない

3 他人の不法行為により、夫が慰謝料請求権を行使する意思を表明しないまま死亡した場合には、その妻は、相続によって夫の慰謝料請求権を行使することはできない。

不法行為による慰藉料請求権は、被害者(夫)が生前に請求の意思を表明しなくても相続の対象となります。(最判昭42.11.1)

 

 

4 妥当

4 他人の不法行為により死亡した被害者の父母、配偶者、子以外の者であっても、被害者との間にそれらの親族と実質的に同視し得る身分関係が存在するため被害者の死亡により甚大な精神的苦痛を受けた場合には、その者は、加害者に対して直接固有の慰謝料請求をすることができる。

民法711条所定(被害者の父母、配偶者及び子)以外の者であっても、被害者との間に同条(民法711条)所定の者(被害者の父母、配偶者及び子)と実質的に同視しうべき身分関係が存し、被害者の死亡により甚大な精神的苦痛を受けた者は、加害者に対し直接に固有の慰藉料を請求することができます。(最判昭49.12.17)

 

 

 

5 妥当でない

5 他人の不法行為により子が重い傷害を受けたために、当該子が死亡したときにも比肩(ひけん:匹敵する)しうべき精神上の苦痛をその両親が受けた場合でも、被害者本人は生存しており本人に慰謝料請求権が認められるので、両親には固有の慰謝料請求権は認められていない。

被害者(子)が生命を害されたときにも比肩すべき精神上の苦痛を受けた場合、自己の権利として慰藉料(いしゃりょう=慰謝料)を請求できます。(最判昭33.8.5)

 

 

以上、今日はここまでです。

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