tomiです。
ブログをご覧いただきましてありがとうございます。
新民法で第95条は全部改正になりました。
旧 第95条(錯誤)
意思表示は、法律行為の要素に錯誤があったときは、無効とする。ただし、表意者に重大な過失があったときは、表意者は、自らその無効を主張することができない。
改正 民法第95条(錯誤)
1 意思表示は、次に掲げる錯誤に基づくものであって、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、取り消すことができる。
(1)意思表示に対応する意思を欠く錯誤
(2)表意者が法律行為の基礎とした事情についてのその認識が真実に反する錯誤
2 前項第2号の規定による意思表示の取消しは、その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたときに限り、することができる。
3 錯誤が表意者の重大な過失によるものであった場合には、次に掲げる場合を除き、第一項の規定による意思表示の取消しをすることができない。
(1)相手方が表意者に錯誤があることを知り、又は重大な過失によって知らなかったとき。
(2)相手方が表意者と同一の錯誤に陥っていたとき。
4 第一項の規定による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。
「錯誤無効」と今までは覚えていたのですが、これからは錯誤は取消しになりました。
また動機の錯誤が明文化されました。
動機の錯誤の説明では、
「新幹線の駅ができるという噂を聞き土地を購入したがその噂は事実ではなかった」
というのがあります。
ちなみにtomiの住む大和郡山市はリニア中央新幹線新駅の誘致をしています。
tomiが家を購入したのが15年ほど前、その当時はまだ誘致をしていなかったのですが、もしtomiが誘致をするらしいという噂をを聞きつけ、「リニアの駅が出来るなら」と思い家を購入した。
その後に誘致の甲斐なく新駅が出来なかった場合に、
「新駅が出来なかったので家の購入を取消します」というのが動機の錯誤による取消しです。
錯誤とは簡単にいうと「勘違い・間違い」です。
たとえば、家を(借りるために)賃貸借契約するつもりが売買契約をした場合です。
これに対して動機の錯誤は家を買いたいので売買契約をしておりこの点で勘違いはありません。
ただ買いたいと思った動機に勘違い・間違いがあったということです。
売主にとっては、こんな迷惑な話はありません。
だって、動機なんて「リニア駅ができるから」「環境がいいから」「両親が住んでいるから」「地元だから」等々きりがありません。
買主の動機を売主がわかるハズはないんです。
こんな場合はやっぱり売主を保護する必要があります。
だから簡単に取り消せてはいけないんです。
じゃあどうするかというと、売主が分かっていればいいわけです。
「リニア駅が出来ると思って家を買ったのなら、駅が出来なかった場合はヤバイ事になるぞ。」
と普通は思います。
それが嫌なら売らなければいい話で、それでも良いと思う売主ならわざわざ保護する必要もないでしょう。
条文でいうと第95条2項になります。
2 前項第2号の規定による意思表示の取消しは、その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたときに限り、することができる。
また「無効」が「取消し」になったのも大きな事ですが、(初めて受験する人は問題ないでしょうが、錯誤無効と覚えた人間には大変です)それは次回にでも。
いま使っているテキストはコチラ
以上、今日はここまでです。
最後までご覧いただきましてありがとうございます。