行政書士試験 平成26年 問題28

行政書士試験

tomiです。

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平成26年行政書士試験は、受験申込者数62 ,172名、受験者数48,869名、合格者数4,043名、合格率8.3%でした。

 

今日は問題28(民法)です。

 

問題28 Aが自己所有の甲土地をBに売却する旨の契約以下、「本件売買契約」という。)が締結された。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものはどれか。

1 AはBの強迫によって本件売買契約を締結したが、その後もBに対する畏怖の状態が続いたので取消しの意思表示をしないまま10 年が経過した。このような場合であっても、AはBの強迫を理由として本件売買契約を取り消すことができる。

2 AがBの詐欺を理由として本件売買契約を取り消したが、甲土地はすでにCに転売されていた。この場合において、CがAに対して甲土地の所有権の取得を主張するためには、Cは、Bの詐欺につき知らず、かつ知らなかったことにつき過失がなく、また、対抗要件を備えていなければならない。

3 AがDの強迫によって本件売買契約を締結した場合、この事実をBが知らず、かつ知らなかったことにつき過失がなかったときは、AはDの強迫を理由として本件売買契約を取り消すことができない。

4 AがEの詐欺によって本件売買契約を締結した場合、この事実をBが知っていた とき、または知らなかったことにつき過失があったときは、AはEの詐欺を理由として本件売買契約を取り消すことができる。

5 Aは未成年者であったが、その旨をBに告げずに本件売買契約を締結した場合、制限行為能力者であることの黙秘は詐術にあたるため、Aは未成年者であることを理由として本件売買契約を取り消すことはできない。

 

正解は1です。

 

解 説
1 妥当

1 AはBの強迫によって本件売買契約を締結したが、その後もBに対する畏怖の状態が続いたので取消しの意思表示をしないまま10年が経過した。このような場合であっても、AはBの強迫を理由として本件売買契約を取り消すことができる。

取消権は追認をすることができる時から5年間行使しないと時効により消滅します。(民法126条)

「追認することができる時」は取消しの原因となっている状態(畏怖の状態)が消滅した後になります。(民法124条1項)

 

問題では「畏怖の状態」が続いているので取消可能です。

 

 

2 妥当でない

2 AがBの詐欺を理由として本件売買契約を取り消したが、甲土地はすでに(善意の第三者)Cに転売されていた。この場合において、(善意の第三者)CがAに対して甲土地の所有権の取得を主張するためには、(善意の第三者)Cは、Bの詐欺につき知らず、かつ知らなかったことにつき過失がなく、また、対抗要件を備えていなければならない。

詐欺による意思表示の取消しは善意の第三者に対抗することはできません。(民法96条3項)

 

ここでいう「善意」は無過失であることを要せず、対抗要件を備える必要もありません(最判昭49.9.26)

 

 

 

3 妥当でない

3 AがDの強迫によって本件売買契約を締結した場合この事実をBが知らず、かつ知らなかったことにつき過失がなかったときは、AはDの強迫を理由として本件売買契約を取り消すことができない。

強迫による意思表示は限定なく取消すことができます。(民法96条1項)

 

 

4 妥当でない

4 Aが(第三者)Eの詐欺によって本件売買契約を締結した場合、この事実をBが知っていたときまたは知らなかったことにつき過失があったときは、Aは(第三者)Eの詐欺を理由として本件売買契約を取り消すことができる。

相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った時は、相手方が知っていた時に限り取消しすることができます。(民法96条2項)

 

 

 

 

5 妥当でない

5 Aは未成年者であったが、その旨をBに告げずに本件売買契約を締結した場合、制限行為能力者であることの黙秘は詐術にあたるため、Aは未成年者であることを理由として本件売買契約を取り消すことはできない。

制限行為能力者が単に黙秘していただけでは詐術にあたりません。(最判昭44.2.13)

詐術に当たる場合は取消しすることができません。(民法21条)

 

以上、今日はここまでです。

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