行政書士試験問題 平成24年 問題33

行政書士試験

tomiです。

ブログをご覧いただきましてありがとうございます。

平成24年行政書士試験は、受験申込者数75 ,817名、受験者数59,948名、合格者数5,508名、合格率9.19%でした。

 

2月に入りやっと仕事も落ち着いてきました。

今日は問題33(民法)です。

問題33 Aは自己所有の甲建物をBに賃貸以下、この賃貸借を「本件賃貸借」とい 、その際BAに対して敷金(以下、「本件敷金」という )を交付した。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものはどれか。

1 本件賃貸借において、Bが甲建物のために必要費および有益費を支出した場合、特約がない限り、Bはこれらの費用につき、直ちにA に対して償還請求することができる。

2 BAの承諾を得て本件賃貸借に基づく賃借権をCに譲渡した場合、特段の事情がない限り、ABに対して本件敷金を返還しなければならない。

3 BAの承諾を得て甲建物をDに転貸したが、その後、 A・B間の合意により本件賃貸借が解除された場合、B・D間の転貸借が期間満了前であっても、 ADに対して甲建物の明渡しを求めることができる。

4 BAの承諾を得て甲建物をEに転貸したが、その後、 Bの賃料不払いにより本件賃貸借が解除された場合、B・E間の転貸借が期間満了前であれば、AE に対して甲建物の明渡しを求めることはできない。

5 AFに甲建物を特段の留保なく売却した場合、甲建物の所有権の移転とともに賃貸人の地位もFに移転するが、現実にFAから本件敷金の引渡しを受けていないときは、B・F間の賃貸借の終了時にFBに対して本件敷金の返還義務を負わない。

 

正解は2です。

解 説

1 妥当でない

本件賃貸借において、(賃借人)B(賃貸物)甲建物のために必要費および有益費を支出した場合特約がない限り、(賃借人)Bはこれらの費用につき、直ちに(賃貸人)A に対して償還請求することができる。

賃借人は賃借物について賃貸人の負担に属する必要費を支出したときは、賃貸人に対し、直ちにその償還を請求することができます。(民法608条1項)

賃借人は、賃借物について賃貸人の負担に属する有益費を支出したときは、賃貸人に対し、賃貸借終了の時に請求することができます。(民法608条2項)

問題は必要費も有益費も直ちに請求することができるとしているので妥当ではありません。

 

2 妥当

(旧賃借人)B(賃貸人)Aの承諾を得て本件賃貸借に基づく賃借権を(新賃借人)Cに譲渡した場合、特段の事情がない限り、(賃貸人)A(旧賃借人)Bに対して本件敷金を返還しなければならない。

敷金に関する権利義務関係は特段の事情のない限り、新賃借人に承継されません。(最判昭53.12.22)

難しく考えないで普通に考えたら良いと思います。

 

3 妥当でない

(賃借人•転貸人)B(賃貸人)Aの承諾を得て甲建物を(転借人)Dに転貸したが、その後、 (賃貸人)A・(賃借人•転貸人)B間の合意により本件賃貸借が解除された場合、(賃借人•転貸人)B・(転借人)D間の転貸借が期間満了前であっても、 (賃貸人)A(転借人)Dに対して甲建物の明渡しを求めることができる。

賃貸人は賃借人と合意解除しても、それが賃料不払等による法定解除権の行使が許されるときにされたものである等の事情がない限り、転借人に対して賃貸物の明渡しを請求できません。(最判昭63.3.24)

 

4 妥当でない

(賃借人•転貸人)B(賃貸人)Aの承諾を得て甲建物を(転借人)Eに転貸したが、その後、 (賃借人•転貸人)Bの賃料不払いにより本件賃貸借が解除された場合、(賃借人•転貸人)B・(転借人)E間の転貸借が期間満了前であれば、(賃貸人)A(転借人)Eに対して甲建物の明渡しを求めることはできない。

賃貸借が賃借人の債務不履行(今回の場合は賃料不払い) を理由とする解除により終了した場合、賃貸人の承諾のある転貸借は、原則として、賃貸人が転借人に対して目的物の返還(明渡し)を請求した時に、転貸人の転借人に対する債務の履行不能により終了します。(最判平9.2.25)

賃貸人の債務不履行による契約解除の場合は転貸借期間の満了前、後に関わらず、賃貸人は転借人に対して明渡しを求めることができるということです。

 

 

5 妥当でない

(旧賃貸人)A(新賃貸人)Fに甲建物を特段の留保なく売却した場合、甲建物の所有権の移転とともに賃貸人の地位も(賃貸人)Fに移転するが、現実に(賃貸人)F(旧賃貸人)Aから本件敷金の引渡しを受けていないときは(賃借人)B・(賃貸人)F間の賃貸借の終了時に(賃貸人)F(賃借人)Bに対して本件敷金の返還義務を負わない。

賃貸人の地位が移転した場合は敷金に関する権利義務関係も新賃貸人に継承されます。(最判昭44.7.17)

Fは賃貸借終了時にBに対して敷金の返還義務を負います。

もしFがAから敷金の引渡しを受けていなくても、それはFとAの問題でBの敷金を返してもらえるという権利には関係ありません。

 

 

以上、今日はここまでです。

最後までご覧いただきましてありがとうございます。

 

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