tomiです。
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平成26年行政書士試験は、受験申込者数62 ,172名、受験者数48,869名、合格者数4,043名、合格率8.3%でした。
今日は問題35(民法)です。
問題35 利益相反行為に関する以下の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものの組合せはどれか。
ア 親権者が、共同相続人である数人の子を代理して遺産分割協議をすることは、その結果、数人の子の間の利害の対立が現実化しない限り、利益相反行為にはあたらない。
イ 親権者である母が、その子の継父が銀行から借り入れを行うにあたり、子の所有の不動産に抵当権を設定する行為は、利益相反行為にあたる。
ウ 親権者が、自己の財産を、子に対して有償で譲渡する行為は当該財産の価額の大小にかかわらず利益相反行為にあたるから、その子の成年に達した後の追認の有無にかかわらず無効である。
エ 親権者が、自らが債務者となって銀行から借り入れを行うにあたって、子の所有名義である土地に抵当権を設定する行為は、当該行為がどのような目的で行なわれたかに関わりなく利益相反行為にあたる。
オ 親権者が、他人の金銭債務について、連帯保証人になるとともに、子を代理して、子を連帯保証人とする契約を締結し、また、親権者と子の共有名義の不動産に抵当権を設定する行為は、利益相反行為にあたる。
1 ア・イ
2 ア・エ
3 イ・ウ
4 ウ・エ
5 エ・オ
正解は5です。
ア 妥当でない
ア 親権者が、共同相続人である数人の子を代理して遺産分割協議をすることは、その結果、数人の子の間の利害の対立が現実化しない限り、利益相反行為にはあたらない。
イ 妥当でない
イ 親権者である母が、その子の継父が銀行から借り入れを行うにあたり、子の所有の不動産に抵当権を設定する行為は、利益相反行為にあたる。
母がその子の継父が銀行から借り入れを行うにあたり、子の所有の不動産に抵当権を設定する行為は、利益相反行為にあたりません。(最判昭35.7.15)
母は継父のためにしたのであって、自分(母)のためにしたのでは無く、母と子の間の利益相反行為になりません。
ウ 妥当でない
ウ 親権者が、自己の財産を、子に対して有償で譲渡する行為は当該財産の価額の大小にかかわらず利益相反行為にあたるから、その子の成年に達した後の追認の有無にかかわらず無効である。
親権者と子の利益相反行為につき、親権者が法定代理人としてなした行為は民法第113条所定の無権代理行為にあたるとされています。(最判昭和46年4月20日)。
無権代理行為は成年に達した子が追認すれば有効となります。
エ 妥当
エ 親権者が、自らが債務者となって銀行から借り入れを行うにあたって、子の所有名義である土地に抵当権を設定する行為は、当該行為がどのような目的で行なわれたかに関わりなく利益相反行為にあたる。
エの場合は、(子のために銀行から借り入れをするのかも知れませんが)親権者が銀行から借り入れるのに、子の名義の土地に抵当権を設定するため利益相反行為になります。
オ 妥当
オ 親権者が、他人の金銭債務について、連帯保証人になるとともに、子を代理して、子を連帯保証人とする契約を締結し、また、親権者と子の共有名義の不動産に抵当権を設定する行為は、利益相反行為にあたる。
判例(最判昭43.10.8)の通りです。
エとオが妥当なので正解は5です。
以上、今日はここまでです。
最後までご覧いただきましてありがとうございます。